ジャズ映画に関連する楽曲を紹介

今回は、ジャズ映画に特化した作品をピックアップしてみました。
ピックアップした中から、印象に残った曲はありますか？

「ONE O’CLOCK JUMP（カウント・ベイシー）」は、短くてかっこいいフレーズが次々と出てきて、リズムが軽快でした！
聴いているうちに楽しくなるような曲でした。

ほかに気になったのは「God Bless The Child（ビリー・ホリデイ）」です。
どこか物悲しいのに温かい感じがして、思わず聴きいってしまいました。

「ONE O’CLOCK JUMP」は、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『ア・グレイト・デイ・イン・ハーレム 〜57人のジャズミュージシャンの肖像〜』（1995年）の劇中に流れる曲です。
そして「God Bless The Child」は、ビリー・ホリデイの代表曲ですね。

ビリー・ホリデイといえば、昔『ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実』（1972年）を見に行った記憶があります。
もともとビリー・ホリデイについて知っていたので「彼女の人生が映画として、どのように表現されているのかな？」という興味で見に行ったんですよね。

さまざまなジャズ映画を観てきたと思うのですが、特に野口先生の記憶に残っている作品はありますか？

印象深いのは『ラウンド・ミッドナイト』（1986年）でしょうか。
主人公は実在したジャズ界のレジェンドである、レスター・ヤング（テナーサックス）とバド・パウエル（ピアノ）をモデルにしたと言われています。
サックス奏者のデクスター・ゴードンが主演をつとめたのですが、本業が演奏者とは思えないほど演技がうまくて驚きました。

演奏しているときとはまた違った、プレイヤーの意外な一面が垣間見えるのも、音楽映画の面白い部分かもしれませんね。
ちなみに、ジャズ映画には何か傾向はあるのでしょうか？

ジャズ映画は、アメリカの1930～1940年代を舞台にしたケースが多いように感じます。
1930～1940年代のアメリカは、貧困・失業・人種差別などの社会的な問題を多数抱えていました。
ドラマチックで激動の時代そのものが、ジャズ映画にとって一番「画になる時代」だったからだと考えられます。

時代の空気と、ジャズの持つエネルギーがマッチしていたんですね。

ジャズという演奏形式が引き継がれ、時代に合った表現になっていくんだと思います。
音楽を基準とした場合、その表現のひとつとして映画があるというか。

最近の作品だと『La La Land』（2016年）を見たときに、『サウンドオブミュージック』（1965年）や『ウェスト・サイド物語』（1961年）の要素を感じました。
もちろんストーリーは異なりますが、表現方法や構成などは似たものを感じていて、より現代にマッチした形になった気がします。

映画だろうと、他のジャンルの音楽だろうと、あらゆる表現と組み合わさって楽しめるのが、ジャズの懐の深さであり魅力だと思います。

ジャズに関しては、スタンダード曲（さまざまな演奏者に演奏されている定番曲）も今後取り上げる予定です。
お楽しみに！