嚥下の仕組みとは?サルコペニア嚥下障害についても解説

食べ物を飲み込む一連の動作を「嚥下(えんげ)」といいます。
加齢や病気などにより嚥下機能が衰えると、誤嚥や肺炎のリスクが高まるため注意が必要です。

今回は、嚥下の仕組みや嚥下障害について解説します。
近年増加傾向にあるサルコペニア嚥下障害についても、野口院長にお話を伺ったので、ぜひ最後までご覧ください。

嚥下の仕組み

出典:株式会社デンタルコミュニケーション 作成資料より(掲載許可済)

嚥下(えんげ)とは、食べ物や飲み物を咀嚼し、口から喉、食道を通って胃へと送り込む一連の動作のことです
通常は、喉頭蓋(こうとうがい)という部位が蓋の役割を果たすことで、息は気道へ、食べ物は食道へと正しく振り分けられます。

この切り替えがスムーズにいかず、食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」といいます。
誤嚥によって口内の細菌が肺に入り込むと、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まってしまうのです。

参考URL:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会|嚥下障害-意外と知らない

嚥下障害とは

嚥下障害とは、食べ物や飲み物を飲み込みにくくなり、誤嚥を繰り返してしまう状態のことです
具体的には、むせやすい、せきこみやすい、食べ物が喉につまった感じがする、などの症状があらわれます。

嚥下に関係する器官や筋力の異常など、嚥下障害の原因は多岐にわたります。
以下のように、老化に伴う原因もみられます。

  • 唾液の分泌減少
  • 口腔、咽頭、食道など嚥下筋の筋力低下
  • 虫歯などで歯が弱ったことによる咀嚼力の低下

認知症による心理的な要因や、病気の後遺症が原因となるケースも少なくありません。
脳卒中を発症した方の、約5%に誤嚥が残るというデータもあります。

参考:藤島一郎「口から食べる嚥下障害Q&A」, 中央法規出版,1996
参考:藤島一郎「脳卒中の摂食・嚥下障害」, 医歯薬出版,1998

近年増加傾向にあるサルコペニア嚥下障害

ここからは、嚥下障害について野口院長にお話を伺います!

嚥下障害といっても、症状や原因はさまざまです。
近年では、サルコペニアに伴う嚥下障害「サルコペニア摂食嚥下障害」の方が増加傾向にあります

サルコペニアとは、どのような状態を指すのでしょうか?

主に加齢によって筋肉量が減少し、筋力と身体能力が低下した状態を「サルコペニア」といいます
ギリシャ語の「Sarx(筋肉)」と「Penia(喪失)」に由来する言葉です。

参考URL:大正健康ナビ|サルコペニア(筋肉減少症)|原因・症状・対策・予防法

聞き慣れない言葉ですが、実際に悩んでいる方は多いのですか?

想像以上に多いのが現状です
急性期患者(容体が安定せず集中的な治療が必要な状態)の約3割、訪問歯科診療を利用されている方の約6割に、サルコペニア摂食嚥下障害が起きています。
さらに、施設に入所されている方では、およそ半数もの方に症状がみられます。

それほど多くの方が悩んでいるのですね。
筋力と身体能力が、なぜお口に関係するのでしょうか?

まず運動量や栄養摂食量が減少すると、口腔機能が低下してしまいます
すると、低栄養からサルコペニアになり、嚥下障害に至るのです

「お口の健康が損なわれる→身体機能が低下する→より食べられなくなる」という負の連鎖が起きてしまいます。

負の連鎖を止めるには、どうすればよいのでしょうか?

栄養改善が重要です。
そのためには、栄養をとるための土台となる「食べられるお口」を作ることが欠かせません

野口院長は、現場でどのようなケアを行っていますか?

嚥下機能に問題がある患者様に対して、適した管理や訓練を選ぶのは非常に難しいことです。
患者様のお悩みや容体を確認し、それぞれに合った方法を日々模索しています。

一例ですが、意識がはっきりされており、舌や喉の動きに極端な低下が見られない場合は、まず食事の形態や一口の量を調整します
食べ物が喉に残りにくい環境を整えた上で、嚥下マッサージを行っています

患者様に合わせて、適切な方法を探っているのですね。

現実的には、大きな改善が見られるケースはあまり多くありません。
それでも、お口から食べられる喜びを少しでも支えるために、粘り強くサポートを続けていきたいと考えています。

まとめ

今回は、嚥下の仕組みや嚥下障害について説明しました。
食べ物を飲み込むには、器官や筋力だけでなく、お口の健康も大切です。

歯医者というと、歯を治療するイメージがあるかもしれません。
野口歯科医院では、歯はもちろん、お口そのものの健康も重視しています。
嚥下障害で説明したとおり、健康を維持するには、お口のケアが重要だからです。

光善寺で歯科医院をお探しの方は、ぜひ野口歯科医院にご相談ください!